こんにちはしろはです。
今回は『赤と青のエスキース』(青山美智子/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。
あらすじ
メルボルンの若手画家が描いた1枚の「絵画(エスキース)」。日本へ渡って30数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。2度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。
(本書より引用。)
人物紹介
レイ:メルボルンに交換留学生として滞在。馴染めずに悩んでいた。
ブー:レイがメルボルンで出会った青年。みんなからブーという愛称で呼ばれている。
ジャック・ジャクソン:画家の卵。レイの絵を描きたいとブーに伝えた。
感想
今回は短編小説で構成された作品です。
そのため、登場人物には冒頭の話に登場する人物のみ書いてあります。
とは言いますが、本作は二度読み必至と書かれていることもあり、とある仕組みがあります。
その点も併せて楽しんでもらえればと思います。
以前も、青山美智子さんの小説を読んだことがありますが、一見関係のないポイントに密かなつながりがあるのが魅力なのかなと思っています。(これはネタバレでは??)
なんだか、読んでいて心が穏やかになれるんですよね。
何気ない休日のひと時に、何か温かい飲み物を用意して読みたくなるんですよね。
もしかしたら私だけかもしれませんが・・・(笑)
今回の"赤と青のエスキース"もそんな作品でした。
大半を通勤途中や仕事の休憩時間に読みましたが、この後のことも頑張ろう!とどこか前向きになれました。
ネタバレにならないようにコメントすると、色ってこんなにも色鮮やかで色々なものを伝えてくれるんだなって。
タイトルには赤と青という単語が入っていますが、対照的な色としてとらえられますが、正反対にいるような色だからこそ映えることがたくさんあるんだなって。
そして、"エスキース"という一枚の絵が紡いでいくストーリーは美しいの一言では表せないものがあります。
読了後には本当に秀逸なタイトル名だと思いました。
読んで良かったです。
青山美智子さんの小説ではこの作品も好きなので興味がありましたらこちらもぜひ!!(今とはブログの体裁が大きく違いますが・・・(笑))
ネタバレありのコメント
これからはネタバレありのコメントをつらつらと書きますので、見たくないという方はここまでとしてください。
これまで見てくださり、ありがとうございました!
物語の結末
いやー、今回も本当に美しい作品だった。
なんだか心が浄化された気がします。
エスキースってなんだ?と思いながら買いましたが、なんだか芸術に興味が出てきました。
子どもの頃は美術館ってなんで行くんだ?と思っていましたが、大人になった今なら感じるものが違うのかも?と思いましたね。
さて、物語の結末としてはまぁなんとなく予想していた通りでした。
青山さんの小説ならではの展開で非常に満足です。
なんとなく結末が予想できるのにどうしてここまでの満足感が出るんでしょうか。
全体を読み直したいとはなりませんでしたが、節々の表現を見返したくなりました。
一つの絵画をめぐってここまで綺麗な物語ができるとは。
レイとブーの話に着目されがちだとは思いますが、他の話もとても好きでした。
結構前に額装師に焦点を当てた小説を読んだこともあって、額装師の話も非常に楽しく読めました。
終始、満足感たっぷりな作品でした。
バタフライピー
正直、バタフライピーってなんだ??そんなおしゃれな飲み物知らないぞ?と思いましたね。
読了後に調べましたが、色鮮やかで美しい飲み物でした。
青色というよりは紫色に近いこともあるようで、本作のコンセプトに非常に合致しているなぁと勝手に思いました。
赤色と青色を混ぜたら紫色。
そういった意味で、漫画家の話が個人的には印象的でした。
エスキースも紫色で表現された部分もあったと思いますが。
なんだか、日常にありふれた色ってこんなにも鮮やかで美しいものなんだと思いました。
今回はこの辺で。
閲覧くださり、ありがとうございました。
またの機会にお会いしましょう。