こんにちはしろはです。
今回は『愛じゃないならこれは何』(斜線堂有紀/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。
あらすじ
二十八歳の地下アイドル、赤羽瑠璃は、その日、男の部屋のベランダから飛び降りた。男といっても瑠璃と別に付き合っているわけではない、
瑠璃のファンの一人で、彼女が熱心にストーカーしているのだ。侵入した男の部屋からどうして瑠璃が飛び降りたのか、話は四年前にさかのぼる――。
(本書より一部引用。)
人物紹介
赤羽瑠璃：東京グレーテルという劇団に所属する地下アイドル。
めるすけ：赤羽瑠璃のファン。瑠璃がエゴサーチで初めて見つけたファン。
感想
今回は短編で構成された作品です。
そのため、登場人物には冒頭の話に登場する人物のみ書いてあります。
タイトル名にもありますように、一つのテーマとして愛が取り上げられています。
とは言っても、綺麗な恋愛小説ではなくどこか暗さを感じさせるようなものです。
結末としても、決してハッピーエンドと断言できるようなものではないため、そういった本を読みたい方は選書を回避していただければと思います。
短編で構成されているため片手間に読むことができました。
ただ、決して読了後はいい気分で終われることはあまりないかと思います。
もしかしたら、こういった心理描写に共感を覚える方もいるのかも？と思いながら読んでいました。
恋愛小説を読んでいると、綺麗なものばかりで羨望の眼差しを向けたくもなりますが、本書は全くそのようなことがなかったです。
綺麗な面ばかりではなく、暗かったり意地汚かったりするのが恋愛なのだということを表した一冊だと思います。
ぜひ、彼女らが追い求めていく先を見てほしいです。
ネタバレありのコメント
これからはネタバレありのコメントをつらつらと書きますので、見たくないという方はここまでとしてください。
これまで見てくださり、ありがとうございました！
全体を読み終えての感想(ただの独り言)
こじらせた恋愛観、どこまでも続く抜けられない沼地。
まさにそんな恋模様を描いた一冊です。
はたして、彼女らがもつ愛が恋愛かどうかは知りませんが・・・。
誰もが恋愛に対して傲慢であり、そして勘違いやすれ違いが起こるのだと思いました。
これは私個人の感想ですが、依存って本当にこえーなと思いましたね。
物に依存するケースはよく聞きますが(お酒、薬物や賭け事等)、こうやって恋愛を通じて他人に依存してしまうケースも本当に恐ろしいですね。
あくまでもフィクションであるため過剰な描写もあるのかも？と思いますが、読んでいてどこか恐怖感を私は感じました。
特にこの表現は末恐ろしいものを感じました。
あんたは大切にされていたかもしれないが、それと同時に物語の搾取を受けている。
(本書より引用。)
今の環境に満足していて未来に希望を抱いている、としてもある日突然その夢見心地がパッと霧散してしまう。
そんな物語みたいなこと起こらないでしょ！と言ってしまえば簡単ですが、ある日突然自分の居場所を追い出されてしまうとしたら怖いものがあります。
なんだか、今日は何を言っているのかわからなくなってしまいましたが・・・(笑)
今回はこの辺で。
閲覧くださり、ありがとうございました。
またの機会にお会いしましょう。
