こんにちはしろはです。
今回は『むらさきのスカートの女』(今村夏子/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。
あらすじ
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。
(「BOOK」データベースより引用。)
人物紹介
わたし:むらさきのスカートの女に興味を抱く人物。
むらさきのスカートの女:いつもむらさき色のスカートを穿いていることからそう呼ばれている。
感想
今回は"むらさきのスカートの女"と呼ばれる女性とそれを追う私の日々をつづった作品です。
物語冒頭から、"むらさきのスカートの女"とはどんな人物なのか。その人物を知る人はどのように思っているのか。
"わたし"視点での出来事がつらつらと書かれていきます。
あまり詳しいことは書けませんが、"むらさきのスカートの女"とはどうやら不思議な存在として認知されているようです。
"わたし"が何者であるのかぼやかされたまま話は進行していきます。
基本的に会話はなく、主観視点で描かれているのが本作品の一つの特徴かと思います。
果たしてこの女は何者なのか。
そして、この女に興味を持つ"わたし"自身もどのような人物なのか。
謎に迫るドキドキ感と共に本作品を楽しんでもらえればなと思います。
ネタバレありのコメント
これからはネタバレありのコメントをつらつらと書きますので、見たくないという方はここまでとしてください。
これまで見てくださり、ありがとうございました!
全体を読み終えての感想(ただの独り言)
さすが今村夏子さんって感じの本でした。
今村夏子さんを知ったきっかけはこちらあみ子でしたが、あれとはまた異なった没入感がありました。
そして読了後には、どこかもやもやとした余韻が残る。
綺麗な気持ちで読み終われないということも味があるんだなと教えてくれた著者でした。
ただ、やはり少々私にはカロリーが高いですね・・・。
しばらく時間を空けて、再び今村夏子さんの作品に触れてみようと思います。
さて、"むらさきのスカートの女"とは何者だったのか。
そして"わたし"とは何者だったのか。
序盤では、"むらさきのスカートの女"という存在にどこか不思議さを感じながら読んでいましたが、中盤あたりからやたらと"わたし"が"むらさきのスカートの女"の事情を把握しきるような事態となってきます。
さすがにそんなこと簡単には知り得ないのではないか?と言うことまで意のままに。
徐々にこの"わたし"と言う人物は何者で何をしている人なんだろうか。
そんな不気味さがふつふつと湧いてくるではありませんか。
最序盤といっても過言ではない箇所で何気なく出てきた"黄色いカーディガンの女"。
その対比がわかるにつれて、一体どちらの心情だったのだろう?という箇所まで出てくる始末。
明確な答えは私の中でできていませんが、考えてもわからない気がします。
もやもやさは抱えつつも満足感のある一冊でした。
今回はこの辺で。
閲覧くださり、ありがとうございました。
またの機会にお会いしましょう。