こんにちはしろはです。
今回は『すべてがFになる』(森博嗣/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。
あらすじ
14才で両親殺害の罪に問われ、孤島の研究施設に閉じ込もった天才工学博士、真賀田四季。教え子と共に島を訪れた助教授の犀川は、交信を断っていた博士の部屋から女の死体を発見する。
(「BOOK」データベースより引用。)
人物紹介
真賀田四季:天才プログラマ。
犀川創平:N大学工学部建築学科助教授。
西之園萌絵:N大学工学部建築学科一年生。
感想
今回は一つの研究所で起こった事件を描いた作品です。
登場人物が非常に多いですが、作中冒頭に一覧が表記されていますので、そちらを適宜参照していただけると読みやすいと思います!
ミステリといっても理系ミステリと評されることもあります。
私は理系出身ですので、結構くすぐられるものがあって非常に面白かったです。
ただ、ミステリのトリックは最後までさっぱりでした。
これ読みながら真相にたどり着ける人っているんですかね・・・。
これから読む人にはぜひ真相がわかるかどうか挑戦してみてください。
"すべてがFになる"はシリーズものですので、続編も読んでみようと思います。
ネタバレありのコメント
これからはネタバレありのコメントをつらつらと書きますので、見たくないという方はここまでとしてください。
これまで見てくださり、ありがとうございました!
全体を読み終えての感想(ただの独り言)
"すべてがFになる"。
果たして、この言葉は何を表しているのだろうか。
そんなことを彼らと共に考えながら読んでいました。
何かの頭文字かな?だなんて考えていましたが、思いもよらぬ方向からボールが飛んできたように驚きました。
真相がわかれば、あーなるほどね!?とはなりましたが、絶対に私には推理なんてできないなと思いました(笑)
やっぱりミステリ作家と言うのは本当に凄いです。
どうやったらこのようなプロットが書けるんですかね。
登場人物が多くて把握しきれないながらも読んでいましたが、読んで良かったです。
何を伝えたかったのか(これもただの独り言)
さて、好きだなーとかこれは良い表現だなーと思った点をつらつらと書きたいと思います。
中でも書き留めておきたいのは以下の2点です。
「そうやって、個人を満足させる他人をコンピュータが作り出して、(中略)情報化社会の次に来るのは、情報の孤立、つまり分散社会だと思うよ」
(本書より引用。)
流動的で、渾然一体になりたいという欲求を社会本能的に持っている。欧米では、個人はソリッドだから、けっして混ざりません。どんなに集まっても、必ずパーツとして独立している……。
(本書より引用。)
20年以上も前の作品なのに、近年の情報化社会にも通じる部分があって考えさせられました。
情報の孤立、分散社会。
他人に認められて一員となりたいと思う一方、いつも孤立感を感じずにはいられない方も珍しくない。
どれだけ便利な社会になったとしても、精神的に満たされない人は一定以上いますし。
まぁこんなこと、人が存在している限り絶対に解決しないですもんね。
今回はこの辺で。
閲覧くださり、ありがとうございました。
またの機会にお会いしましょう。