活字紀行

自分自身に満足を。つらつらと書評ブログ。Twitter@sh1roha_468

アイネクライネナハトムジーク【書評】

こんにちはしろはです。
今回は『アイネクライネナハトムジーク』(伊坂幸太郎/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。

 

 

 

あらすじ

 

ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ。
(「BOOK」データベースより引用。)

 

人物紹介


佐藤:夜に街頭アンケートを命じられた。
藤間:佐藤の先輩。サーバーが故障し、データが消えた失態を犯した。
美奈子:美容師。常連から弟を紹介された。
ウィンストン小野
:ヘビー級のボクサー。世界チャンピオンに挑戦した。
斉藤さん:百円を払うと今の気持ちをメロディで提供してくれる。

感想

今回は複数の視点から描かれ他作品です。
私の好きな著者の一人である伊坂幸太郎さんの一冊ですが、特にこれと言った大きな出来事無く淡々とした日常が描かれています。

街頭アンケートをする会社員、常連客から弟を紹介された美容師、ヘビー級のボクサー。
彼ら、彼女らにしかわからない感情、そして本人にしか味わうことのない人生。

そういった様々な人生を覗くことで、きっとどこか読了前にはなかった視点が得られるのではないでしょうか。

一見すると短編小説のように思われるかもしれませんが、徐々に人間関係があらわになってさらに面白くなってくると思います。
不安な方はメモとペンを片手に読むことをお勧めします。

隙間時間でも気軽に読むことができるので、興味があればぜひ一読ください!

ネタバレありのコメント

これからはネタバレありのコメントをつらつらと書きますので、見たくないという方はここまでとしてください。
これまで見てくださり、ありがとうございました!

 

全体を読み終えての感想(ただの独り言)

今までは関わりがなかったにも関わらず、些細な出来事を経て親密な関係となる。
そんな何気ない日常に少々憧れてしまいます。

このようなことは、本作品のように多人数視点で描かれた作品で特に浮かべる感想の一つです。
当然、現実だと自分一人の視点でしかわかりませんが、小説だとお互いの人生があるんだなと感じさせてくれるからでしょうか。

相手の考えていることが手に取るようにわかったらどれだけ楽なのでしょうか。

小説の素晴らしさを感じつつ、自分ではない相手に少しでも優しくありたいと思います。


そして、何気ない繋がりを大切にしていきたいです。
この先、どのような縁が転がっているのかだなんて誰にもわかりませんからね。

今回はこの辺で。
閲覧くださり、ありがとうございました。
またの機会にお会いしましょう。