活字紀行

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『行きたくない』 著者 加藤シゲアキ,他5名

今回は『行きたくない』(著者 加藤シゲアキ,他5名)を読みました。

簡単ではありますが,まずは簡単な登場人物とあらすじ紹介から。

※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご了承ください。

 

なお,今回の作品は計6名の著者による複数のショートストーリー構成であるため,私が最も印象に残った住野よるさんの『コンピレーション』について紹介します。

 

毎晩,家に帰ると顔も名前も知らない”友達”が夕飯を作って出迎えてくれる生活を送る主人公の松岡桃。

彼女らと話してみれば,どの人も主人公に詳しい人でなければ知らないような情報を知っており,”友達”だと言う。

主人公自身も日々のそんな生活を楽しく過ごしていたが,ある日同じ人が再度出迎えてくれるという出来事が起こる。

主人公は”友達”が一周したのかな?だなんて思っていたが,翌日はまた知らない”友達”が出迎えてくれる。

しかし,またあの”友達”が3回目として出迎えてくれたことで不信感を覚える。

その”友達”の正体とは,そして主人公の過ごすこの奇妙な生活とは…という話です。

 

松岡桃(主人公):ふと気が付いたら仕事が終わって自宅の玄関でパンプスを脱いでいるように感じる一人の女性。

毎晩,帰宅すると違う"友達"が夕飯を作って出迎えてくれるという奇妙な日々を過ごしている。

 

一見すると,若干のホラー要素とかかな?と感じさせるような不気味な雰囲気。

と思いきや,主人公自身も楽しんでおりそんな怖い雰囲気は全くない。

 

ただ,ある日同じ”友達”が何食わぬ顔で出迎えてくれたことで物語は一気に展開する。

どの”友達”とも,どこにでもいるような素敵なひと時を過ごしていく雰囲気を感じながら”友達”とは,主人公が送るこの生活とはという物語の結末を知ってほしいです!

 

さて、今回は複数の著者による短めな作品を6つ堪能しました。

どれもがこのタイトルにもある通り”行きたくない”という一見すると負の感情が,何らかの形ですべての話に関与しています。

 

ただ,読んだ後には明るい気持ちにもなれるのではないでしょうか。

”行きたくない”という負の感情を越えた先には,越えない先にはどのような思いが待ち受けているのか,ぜひ読んでみて欲しいです。

ショートストーリー構成の為,気軽に読めてお勧めです。

 

何か嫌なことがあるな,したくないな,と思ってる方に読んでみて欲しい,そんな作品でした。

 

評価は 4.5/5.0 とさせていただきます。

閲覧くださり,ありがとうございました。

気になった方は是非読んでみてください!

 

 

 ではまたの機会でお会いしましょう!