活字紀行

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『海が見える家』 著者 はらだみずき

今回は『海が見える家』(著者 はらだみずき)を読みました。

簡単ではありますが,まずは簡単な登場人物とあらすじ紹介から。

※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご了承ください。 

 

あまりのブラック企業っぷりに一カ月で退職してしまった文哉。

この先どうしようか途方に暮れていた矢先に突然伝えられる父の訃報。

文哉と姉の宏美は父と疎遠関係にあり父がどんな生活をしていたのかすら知らなかった。

文哉は遺品整理をしている中で父がどのような生活をしていたのか明らかとなってくる。

自分が経験したことのない海辺での生活を過ごす中で文哉が感じることとは…という話です。

 

緒方文哉(主人公)ブラック企業を一カ月ほどで辞めてしまい途方に暮れていた青年。

父の遺品整理をしながら,父が生前最後に過ごしていた海辺の町で生活をする。

 

緒方宏美:文哉の姉。文哉は東京で暮らしているのに対して,札幌で暮らしている。

自分はなかなかそちらには行けないからと言い,遺品整理を文哉に任せる。

 

坂田和海:通称”カズ”。父の知り合いと名乗り,父の訃報を知らせた張本人。

電話で話した際には”ぶっきらぼう”だと思ったが,会って話すと親しみのある人。

 

今回は何気ない海が見える家での生活を描いた話。

舞台としては千葉の房総半島,館山市みたいですね!

私はこういう自然にあふれた生活を体験したことはないですが羨ましく感じますね!

本当にそう感じてしまうくらい素敵な描写がされています。

海産物を採ってすぐに食べてみることとか密かな憧れです…(笑)

 

さて,今回は疎遠状態にあった父の遺品整理をしながら新しい生活を暮らすこととなります。

最初,文哉は父の住家を売って資金源にしようと考えていたが,心情に変化が訪れてきます。

大きなテーマとしては幸せとは何かということが挙げられると思います。

生きる上である程度の妥協は仕方ないと思いますが,自分にとっての幸せを少しながら実現させることの大切さを考えさせてくれました。

そんな機会を与えてくれる良いきっかけになるのではないでしょうか?

最後に私が気に入ったフレーズをいくつか紹介したいと思います。

 

いいじゃないか,これは自分の人生なのだから。

父の死は生きる意味を自分に問いかけてきた。もちろん,答えなどすぐに出そうもないけれど。

おまえは人生を楽しむ努力をしているか?

 

自分にとっての幸せとは何か,何をしたいのかを考えさせてくれる,そんな作品でした。

 

評価は 4.5/5.0 とさせていただきます。

閲覧くださり,ありがとうございました。

気になった方は是非読んでみてください!

 

海が見える家 (小学館文庫)

海が見える家 (小学館文庫)

 

 

ではまたの機会にお会いしましょう!