活字紀行

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成瀬は天下を取りにいく【書評】

こんにちはしろはです。
今回は『成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。

 

 

 

あらすじ

 

2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
(本書より引用。)

 

人物紹介


成瀬あかり:何事にも全力で挑戦。二百歳まで生きるのが目標。
島崎みゆき:幼い頃から成瀬と関わりがある。時には振り回されることも。

感想

今回は滋賀を舞台とした作品です。
冒頭から大津市にあった西武百貨店が登場します。
地元の方にはたまらない一冊なのではないでしょうか。

私は滋賀県に住んだことも行ったこともないので、少々残念でした。
いつの日か行ってみたいですけどね。

さて、内容としてはやたらと行動力のある少女、成瀬とその幼馴染である島崎が登場します。
閉店するまでの西武大津店に毎日通ったり、M-1グランプリに登場したりと。

どんなことにも全力で挑戦する女子生徒の生き様が見えます。

視点としては、島崎や成瀬だけでなく、他にも成瀬と関わりのある人物も描かれます。
成瀬の生き方を見て周りはどう感じるのか、何か変わるのか。
そういった点もぜひ楽しんでもらえればなと思います。

どこか元気になれる作品でした。

ネタバレありのコメント

これからはネタバレありのコメントをつらつらと書きますので、見たくないという方はここまでとしてください。
これまで見てくださり、ありがとうございました!

 

全体を読み終えての感想(ただの独り言)

なんだか懐かしい気持ちになれました。
学生の頃にはなんでもできるのでは?と思っていたあの気持ちはどこに置いてきたのでしょうか。
そんな気持ちを感じさせてくれた一冊でした。

だとしても、成瀬の行動力は凄すぎますね・・・。
島崎も振り回されているかと思いますが、なんだかんだで楽しいんでしょうね。


そんな成瀬がここまで様々なことに挑戦するのか。
このように明言しています。

成瀬が言うには、大きなことを百個言って、ひとつでも叶えたら、「あの人すごい」になるという。だから日頃から口に出して種をまいておくことが重要なのだそうだ。
(本書より引用。)


本当に年下なのか?と思ったしまったほどです。
いつから挑戦することをやめてしまったんだろう。
昔は大きなことも言っていたはずなのに。

どこか童心に戻れた一冊でした。
ちょっとクスッとしながらも元気になれました。
読んで良かったです。

何を伝えたかったのか(これもただの独り言)

地元って懐かしいなぁと率直に思いました。
社会人となって地元を離れてしまった私ですが、今も変わらず住んでいたらこの本の感じ方も違ったんだろうなと思いました。

長期休暇に地元に戻ると、ここの店変わったなぁとなるときってありますよね。
これからは学生時代にお世話になった施設とか無くなるのか、と思うと悲しくなりました。

さて、成瀬のとりあえず挑戦してみるという姿勢には私も見習いたいと思いました。
中途半端な状態で止めてしまうこともあり、そのことを島崎から指摘されてしまった成瀬ですが、とりあえずなんでもやってみることはすごいなって。

年を取ると現実がわかってしまう場面も多々あり、挑戦しなくなってしまいますよね。
そんな感情を本書は吹き飛ばしてくれました。

頭の中で憧れていること、手を出してみたいこと。
きっと何かあるのではないでしょうか。
そんな一歩を踏み出す機会を与えてくれた一冊でした。

私も言い訳ばかりせず、まずはやってみないとなぁ。

今回はこの辺で。
閲覧くださり、ありがとうございました。
またの機会にお会いしましょう。