こんにちはしろはです。
今回は『今夜、すべてのバーで』(中島らも/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。
あらすじ
薄紫の香腺液の結晶を、澄んだ水に落とす。甘酸っぱく、すがすがしい香りがひろがり、それを一口ふくむと、口の中で冷たい玉がはじけるような…。アルコールにとりつかれた男・小島容が往き来する、幻覚の世界と妙に覚めた日常そして周囲の個性的な人々を描いた傑作長篇小説。
(「BOOK」データベースより引用。)
人物紹介
小島容:重度のアル中。非常に危ない状態で入院することに。
赤河:小島の担当医。横暴な性格。
天王寺不二雄:小島とはかつての友人。酒によって車に撥ねられて亡くなった。
天王寺さやか:不二雄の妹。小島が営む事務所のマネージャー兼事務員。
感想
今回は35歳で死ぬと告げられていた、とあるアル中の話です。
私もアルコールが好きなので他人事で済ませてはいけないんだろうなぁ、という気持ちでぼんやりと選書しました。
成人済みの皆さん、お酒は好きですか?
好きならなんでお酒を飲むんでしょうか?
人付き合いでしか飲まない?
ただ好きだからお酒を飲む?
そんなお酒好きには少々耳が痛い一冊かもしれません。(私もちょっとお酒との付き合い方を変えようかなと思うことも?)
まだアル中の当事者ではない(と思います)が、少しでも理解できるような身近な人でありたいと思いました。
何気なく見つけた一冊でしたが、自分と向き合う良いきっかけを与えてくれた作品でした。
ネタバレありのコメント
これからはネタバレありのコメントをつらつらと書きますので、見たくないという方はここまでとしてください。
これまで見てくださり、ありがとうございました!
全体を読み終えての感想(ただの独り言)
成人男性の10人から20人に1人がアル中。
なんて恐ろしいのでしょうか。
最新のデータだったらまた変わってくるんでしょうね。
私はどうしてお酒を飲むんだろう。
そんなことを考えさせられた一冊でした。
そして、たどり着いた答えなんてありませんでした。
人付き合いだから?
味が好きだから?
ただ単に現実逃避できるから?
体に悪いものとわかっていながらどうしてお酒を飲んでしまうのでしょうか。
お酒を全く飲めない友人に「なんで酒を飲むの?」と聞かれた時とは違った印象を受けました。
著者の中島らもさんもアル中だったようで。
アル中だからこそ伝えられる言葉の重さを感じました。
だからこそ、最後の希望を感じさせる演出にはちょっと感動してしまいました。
どうせ死んでしまうのだから、そう思っていた主人公にも何かが見つけられる日が来ることを願うばかりです。(私は何言ってるんですかね?)
何事も依存しながら他人の手を借りて生きていくしかないんですかね。
何を伝えたかったのか(これもただの独り言)
アルコールに限った話ではないと思いますが、改めて依存って本当に怖いなと思いました。
アルコールが主なテーマとなっていましたが、私には『依存』がテーマなのではないか?と思いながら読み進めていました。
私自身、何かに依存しているという自覚はありませんがこういう感覚が1番危険なのではないでしょうか。
当たり前のように使っているスマホやパソコンを取り上げられたらどうなるのでしょうか。
今となっては生活の一部となって切っても切り離せないものとなってしまいましたが、これも依存しているんでしょうね。
ウィーク・エンドドリンカー。
そんなアル中への第一歩が書かれていましたが、何に対しても自覚した時には時すでに遅し。
何気ない日常で起こり得る『依存』の怖さを実感した一冊でした。
お酒もほどほどにしなければですね。
今回はこの辺で。
閲覧くださり、ありがとうございました。
またの機会にお会いしましょう。