今回は『アヒルと鴨のコインロッカー』(著者 伊坂幸太郎)を読みました。
簡単ではありますが,まずは簡単な登場人物とあらすじ紹介から。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご了承ください。
「一緒に本屋を襲わないか」
引っ越してきたアパートで出会った初対面の青年にそう告げられる。
あまり乗り気ではなかったものの,気付いたら裏口にモデルガンを持って立っていた。
標的はたった一冊の広辞苑だが計画の結果とは…という話です。
椎名:大学生になって1人暮らしを始めた青年。
初対面の隣人から「一緒に本屋を襲わないか」と誘われる。
河崎:椎名の隣人。女性にモテて多くの女性と付き合う。琴美とも付き合っていた。
琴美:ペットショップ店員。ドルジと同居しており,英語が得意である。
ドルジ:ブータンから来た留学生。日本語を練習中だが琴美との会話は英語になりがち。
今回は本屋を襲うシーンから始まる話。
そういう事件だのサスペンス要素が主軸となるのかな?と思っていましたがそんなことはないです。
実は椎名が河崎と本屋を襲うシーンかが描かれているのが現在の描写であり,琴美がドルジと過ごすシーンが2年前として描かれています。
これら現在と2年前の描写が交互に順を追って話が進んでいきます。
序盤ではこれら2つの時系列に何が関係しているのかな?と思いながら読むことになりますが,徐々に点と点が結ばれていくように話が展開されて行きます。
ああ、これはそういうことかーとだんだん納得していきます。
タイトル名も何を意味するのかな?と思いましたが,後々これもちゃんと回収されます!
ただ,フィクションとはいえ動物への虐待のような描写があるため苦手な人にはお勧めしません。
ネタバレにならない程度に感想を言うと,個人的に結末は切なかったです。
ただ,ドルジや河崎などのキャラはとても魅力的で引き付けられました!
先週にブログとして取り上げた『木曜日にはココアを』と同じように,自身の人生では自分が主人公であっても他人からすればただの脇役であるように,それぞれの人生があるのだなって思いました。
https://blog.hatena.ne.jp/sh1roha468/sh1roha468.hatenablog.jp/edit?entry=26006613625132085
人の生と死,そして生まれ変わりについて考えさせてくれる,そんな作品でした。
評価は 4.0/5.0 とさせていただきます。
閲覧くださり,ありがとうございました。
気になった方は是非読んでみてください!
ではまたの機会でお会いしましょう!