活字紀行

自分自身に満足を。つらつらと書評ブログ。Twitter@sh1roha_468

純喫茶トルンカ しあわせの香り【書評】

こんにちはしろはです。
今回は『純喫茶トルンカ しあわせの香り』(八木沢里志/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご注意ください。

 

 

あらすじ

コーヒーの香りとショパンの調べが、私をあの頃へと戻してゆく。
店の常連千代子にとって、マスターの淹れるコーヒーはささやかな魔法。二十年前、夫との関係に一人悩み、傷ついた気持ちを救ってくれたのがこの店だった。
心地よい苦みと懐かしい旋律が記憶を呼び戻し、不思議な出会いが訪れて……。
下町にひっそり佇む純喫茶トルンカを舞台に三つの温かい交流を描く、感動の第二弾。(本書より引用。)

 

人物紹介

sh1roha468.hatenablog.jp

こちらの記事で紹介しなかった人物のみ改めて紹介します。
千代子:千代子ばあちゃんと慕われるトルンカの常連。
絢子:花屋でアルバイトをしながらイラストレーターの仕事をするトルンカの常連。
沼田:絢子がヒロさんと呼んで慕う。前作では病気を理由に姿をくらます。
浩太:雫の幼馴染。バカなふりをして場を和ませる存在。

 

感想

barista latte

今回は八木沢里志さん著である純喫茶トルンカの2作目です。
前作と同じ舞台と登場人物らでどこかほっこりする話が描かれます。
構想も前回と同じように、3部作の三人称多元描写となっております。

今回は常連客である千代子ばあちゃん、浩太そして絢子の視点で描かれています。
中でも千代子ばあちゃんは、心理描写もですます調である敬体で表現されていることもあり、どこか柔らかく優しい印象を受けます。
千代子ばあちゃんの人柄の良さが伝わり、ほっこりとなれます。

さて、今回のテーマとしては再会というものが大きなある印象を強く受けました。
偉人たちの格言を言う絢子は、自分独自の格言を前作から言っています。

再会とは、人生における一番身近な奇跡である。

絢子が言ったこの言葉が事あるごとに出てきます。
再会ということをテーマにしているだけあって(主観ですが)、懐かしい友人に会いたくなります。
今となっては、連絡が取れなくなってしまった知人と偶然合うことはあるのだろうか、と彼らの生活を見ているとどこか羨望の眼差しで見てみてしまうような気持ちになりました。

自身が感じてしまっている偏見を恥じることなく、愛していきたいですね。
時には一息ついて休むことも大事なことだと再認識できました。
手遅れになってからではいくら後悔しても遅いですからね。

 

評価

評価は 4.0/5.0 とさせていただきます。
閲覧くださり,ありがとうございました。
気になった方は是非読んでみてください!

ではまたの機会にお会いしましょう!