こんにちはしろはです。
今回は『月の裏に望む』(ことわ荒太/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご注意ください。
あらすじ
他人の闇を覗き見る快感。
全てが上手くいっているはずなのに、何か足りない…。仕事で。家庭で。恋愛で。決して見ることのない、月の裏のような闇を抱いて生きる人たち。
このままで良い訳がない。だけどもう、やめる事も出来ない。何かが欠けている日常から逃れるように、強く依存しあっていく。
全ての人物の抱える闇が明らかになったとき、あなたは必ずこの物語を読み返す事になるだろう。(本書より引用。)
人物紹介
今回は短編集のようで,実は人物が輻輳(正しい表現なのかわかりません…。)していく驚きを体験していただきたいので,人物紹介は割愛します。
ですが,初見でも決してわかりにくい展開ではないのでご安心ください。
感想・総括
今回は鎌倉を舞台とする多視点で描かれる話です。
最初は短編集かな?と思わせるような始まり方をしますが,徐々に同じ世界線で描かれた話であることが分かってきます。
やはり,こういう仕組みの本は二度目が読みたくなってしまいますね。
月の裏に望むという意味ありげなタイトル名にも考えさせられるものがあります。
人には他人に理解しえない一面があるってことなんですかね?
あくまで私の解釈ですが,人付き合いって難しくもなんて美しいものなんだと再認識しました。
大人ならではの恋愛も描かれるのですが,馴染みがないので難しかったです(笑)
私も心の内と外でうまく制御しないといけないなぁと思いました。
同じ作者さんの作品で"ジュン丸,お前…。"も読みましたが,ここまで文章表現が違うのでしょうか。
全く違った情景描写や心理描写でありながらも,どこかで暖かい気持ちになれます。
私は第4章の話が一番好きでした。
最後に私の好きな表現を紹介して終わりにしようと思います。
自分を育てるのは,結局は自分しかいないのだから。周りの人達が沢山のヒントをくれたとしても,それを実践するしないは自分の問題。
やらない私から,やる私へ。他人のせいにして生きるのはもう終わりにしよう。
評価は 4.0/5.0 とさせていただきます。
閲覧くださり,ありがとうございました。
気になった方は是非読んでみてください!
ではまたの機会にお会いしましょう!