こんにちはしろはです。
今回は『結び目』(内池陽菜/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。
あらすじ
親が作った弁当を一人で食べている浪人中の湊人。
無意識に自分の人生を諦めてしまっている幸子。
かつて夢を持っていた就活中の裕貴。
大切な人を失ったことを受け入れられないすず。
自分より大切にしたい人を見つけた旭。
あなたの人生が、日々、いろいろあるように、あの人にも、その人にも、実は、いろいろある。
人生は等しく劇的で、素晴らしい。御茶ノ水を舞台に、出会い、語り、泣き、笑う。
どこにでもありそうで、どこかにあったらいい、そんな物語。
(本書より引用。)
人物紹介
湊人:現在浪人中。『普通』から反れることを恐れている。まなみんのファン。
幸子:"まなみん"こと清水愛美の祖母。
裕貴:現在就活中。デジタルハリウッド大学に在籍。まなみんのファン。
すず:コーヒーショップの店長。
旭:裕貴の所属するゼミの先生。
感想
今回は、今もこんなことが起こっているのかも?と想像させてくれるような日常を描いた作品です。
今のご時世と同じように、人々がマスクをして日常を過ごしていますが、登場人物の誰も彼もが悩みに苦悩するさまが描かれています。
本当に私の知らないところで起こっていてもおかしくないな、と終始考えていました。
すずさんはコーヒーショップの店長さんとのことでしたが、
こういうカフェとかで顔見知りの店員さんがいるのって少々憧れなんですよね。
外で本を読みたいなぁとか思うこともあるので、いつか行きつけのカフェを作ってみたい限りです。
個人経営とかの方がいいんでしょうか。
まぁそんなことはさておき、本作品は読んでいてどこか前向きになれる作品でした。
学生ならではの悩み、浪人生ならではの悩み、社会人ならではの悩みと、誰しもが悩みを抱えながら生きているのだなと思えました。
私ばかりが、俺ばかりが、だなんて考える必要はないってことですね。
人に共感してもらえることは大切だし心地の良いものだと思いますが、その悩みはある節目なんだとめげずに取り組んでみてはいかがでしょうか。
現代背景に即した設定で、片手間に読める一冊ではないでしょうか。
活字が苦手な方でも読みやすいと思います。
ぜひ機会があれば読んでみてください。
ネタバレありのコメント
これからはネタバレありのコメントをつらつらと書きますので、見たくないという方はここまでとしてください。
これまで見てくださり、ありがとうございました!
幸子さんの一言
『今この瞬間をどう生きるか』に悩むんじゃなくて、もっと長い目で見て『人生にどんな節目を作るか』を考えるべきだと思うのよ。
(本書より引用。)
これが本作品の最大の魅力だったのではないでしょうか。
竹は節があるから強い、節目は多いほど強い。
そんな竹になぞらえて、人生のあり方を教えてくれた気がします。
登場人物の誰もが、物語を通して以前よりも前向きになれてどこかホッとしました。
特にすずさんは、陰では思い詰めていたようなので、過去に捕らわれることなくなれて本当に良かったです。
2時間足らずで読み終えてしまいましたが、良い満足感でした。
思わずコーヒーが飲みたくなって読書のお供にしながら読みました。
今何かに悩んで立ち止まっている方に読んでいもらいたい一冊ですね。
今抱えている問題は、あなたの人生のターニングポイントになり得る節目かもしれませんよ?
今回はこの辺で。
閲覧くださり、ありがとうございました。
またの機会にお会いしましょう。