こんにちはしろはです。
今回は『invert 城塚翡翠倒叙集』(相沢沙呼/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。
あらすじ
綿密な犯罪計画により実行された殺人事件。アリバイは鉄壁、計画は完璧、事件は事故として処理される……はずだった。
だが、犯人たちのもとに、死者の声を聴く美女、城塚翡翠が現れる。大丈夫。霊能力なんかで自分が捕まるはずなんてない。ところが……。
ITエンジニア、小学校教師、そして人を殺すことを厭わない犯罪界のナポレオン。すべてを見通す翡翠の目から、彼らは逃れることができるのか?(本書より引用。)
人物紹介
城塚翡翠:自称霊能力者。警視庁の人間と共に難解事件の解明にあたる。
千和崎誠:翡翠の身の回りお世話をしている。翡翠の掛ける眼鏡で映像を共有している。
感想
本作はmediumの続編となっています。
冒頭にもありますが、重大なネタバレを含みますので先に前作からご覧ください。
一応、ブログでも紹介したことがあるので未読で読んでやってもいいぞって方がいればこちらもぜひ(笑)
さて、今作は翡翠による倒叙集となっています。
倒叙とは、犯人視点で描かれるミステリーというかサスペンスのことですね。
この翡翠で倒叙かぁ、まぁ展開はこうなるだろうなぁと思いながら読んでいました。
その点に関しては私の予想通りでした。
ただ、ミステリーの真相に関してはさっぱりでした!!完敗です(笑)
翡翠によって、倒叙作品なのに墓穴を掘りまくってしまう描写にはどこか私が苦しくなってしまうほど。
翡翠が読者に謎を投げかけてくるので、挑戦したい方はぜひ!!
ネタバレありのコメント
倒叙の本って何冊か読んだことありますけど、ここまで序盤から犯人の負けが確定している作品なんて初めて読みましたよ(笑)
あーあ、止めとけばいいのにって何度思ったことか。
最後はどうやって立証するんだろう?と思っていましたが、まさか入れ替わっているとは。
私は冒頭であった瞳は翠だった、の段階でもう翡翠だと思い込んでいましたからね。
あー、そういえば外向きには瞳を緑色にしていたなぁって。
それにタイトルの"信用ならない目撃者"っていうのもずるいなぁって(笑)
本作はやっぱり、翡翠がどのようにして犯行を立証するのかが醍醐味ですね。
そして前作と同様に読者側へとトリックの謎を問いかけますが、私にはもうさっぱりでした(笑)
私は作中でもありましたが、問題解決をしたいからミステリー作品を読んでいるのではなく、アッと驚くような解決方法を読みたいがためにミステリー小説を読んでいるのだなぁと思わされてしました。
えー、今回も完敗です。
ただ、もう少し翡翠の素性が明らかにされるのかなぁと思っていました。
この様子だと次回作も執筆予定なんですかね?
ぜひ次回作では、なぜ翡翠がここまで殺人事件の解明に精を出すのか判明されると嬉しいですね!