こんにちはしろはです。
今回は『まぼろしのパン屋』(松宮宏/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご注意ください。
あらすじ
朝から妻に小言を言われ、満員電車の席とり合戦に力を使い果たす高橋は、どこにでもいるサラリーマン。しかし会社の開発事業が頓挫して責任者が左遷され、ところてん式に出世。何が議題かもわからない会議に出席する日々が始まった。そんなある日、見知らぬ老女にパンをもらったことから人生が動き出し……。他、神戸の焼肉、姫路おでんなど食べ物をめぐる、ちょっと不思議な物語三篇。(本書より引用。)
感想
今回はどこからともなく美味しそうなパンのにおいがしてきそうな作品です。
短編集となっていますが、この"まぼろしのパン屋"の話がおよそ半分を占めています。
今回はこの話についてのみ触れようと思います。
最初は難しそうでちょっと重めな話なのかな?と動揺しながら読んでいましたが、想像していた通りの話で安心しました。
とにかくそそられるパンの表現が読みたい!!と思って選んだ本でしたので・・・(笑)
さて、主人公はどこにでもいるようなサラリーマン。
毎朝の満員電車で繰り広げられる座席争いに思わず、わかるわ~とため息が。
会議ばかりの生活が日本人らしいなぁと思うことも。
心理描写も多くて登場人物に感情移入できる場面も多いのではないでしょうか。
物語は見知らぬ老女にパンをもらったことで転機が訪れます。
突然、ファンタジーが始まりますが非常にテンポよく話が進んでいきます。
どこか暖かい気持ちになって美味しいパンが食べたくなります。
登場人物の能力の高さには驚きましたが、私も好きなことは他人に譲れないくらい突き通したいなぁと思いました。
この週末には近所のパン屋に美味しいパンを買いに行きました。
ごちそうさまでした。(笑)
最後に私の好きな表現を紹介します。
しあわせとは何だろう?
それは自らのこころに寄り添い、正直に生きることだ。
素敵な表現ですよね。
どこかほっこりと優しい気持ちになれる作品でした。
ぜひ好きなことがある人はそれを突き通してほしいと思いました。
こんな方にオススメ
- ファンタジーの好きな方。
- パン好きな方。
- 自分の好きなことを突き通したい方。
評価
評価は 4.0/5.0 とさせていただきます。
閲覧くださり,ありがとうございました。
気になった方は是非読んでみてください!
ではまたの機会にお会いしましょう!