こんにちはしろはです。
今回は『生きてさえいれば』(小坂流加/著)を紹介します。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご注意ください。
あらすじ
「生きていなくちゃ、悲しみや絶望は克服できないのよ」――大好きな叔母・春桜(はるか)が宛名も書かず大切に手元に置いている手紙を見つけた甥の千景(ちかげ)。病室を出られない春桜に代わり、千景がひとり届けることで春桜の青春の日々を知る。春桜の想い人(秋葉)との淡く苦い想い出とは? 多くの障害があった春桜と彼の恋愛の行方と、その結末は?(本書より引用。)
人物紹介
春桜(ハルカ):ファッション雑誌のモデル。心臓が悪い。
秋葉:キャンプサークルで春桜と出会い,いきなりプロポーズされた。
千景:ハルカの甥。小学6年生。自殺を心に決めていた。
感想・総括
今回は大学生のボーイミーツガールが主題となったような話です。
最初は春桜の甥である千景視点で物語が描かれますが,作中のうち大多数は秋葉視点の構成となっております。
タイトルにもあるように,少々重い表現も出てきます。
人の死や病気が出てくると,やはり少々読んでいて辛くなってしまいます。
ただ,個人的にはどうしても春桜に感情移入できない点があってなんだかなぁと思っていました。
ジンという秋葉の友人が出てくるのですが,私はこのキャラが好きでしょうがなかったです。
この頼りになる相棒感が最高でした。大学生活を彩ったものにしています。
でもこの作品は文書一文一文の表現が何というか美しいんですよね。
この言い方が合っているのかはわかりませんが,スッと胸の内に入ってくるような心地よさがあります。
私はこの作者さんの作品は初めてでしたが,他の作品も読んでみようと思います。
結末は少々,読者側に展開を予想させるようなものとなっておりますので,そういうものが苦手な方には物足りない作品かなぁと思いました。
最後に私の好きな表現を2つ紹介します。
「友達は役に立ったり立たなかったりするもんとちがうで」
生きていれば。"ほんとうの幸"を見つける旅が続けられる。
私も私自身でしか歩むことのできないこの旅を楽しもうと思いました。
ジンみたいな友人でありたいとも思いましたね(笑)
評価は 4.0/5.0 とさせていただきます。
閲覧くださり,ありがとうございました。
気になった方は是非読んでみてください!
ではまたの機会にお会いしましょう!