活字紀行

自分自身に満足を。つらつらと書評ブログ。Twitter@sh1roha_468

意を決して読む一冊。

今回は『嘘 Love Lies』(村山由佳/著)を読みました。

簡単ではありますが,まずは簡単なあらすじ紹介から。

※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご注意ください。

 

幼い頃に養父を亡くし、母親の愛人から日常的に暴力を受けていた刀根秀俊(とね・ひでとし)に、十四歳のとき初めて気の置けない存在ができた。中学二年のクラス替えで、近くの席になった美月、陽菜乃、亮介だ。四人で過ごす時間は、秀俊にとってかけがえのないものとなる。しかしその年の夏休み、彼らをある事件が襲った。想像を絶するような悲劇に、四人の人生は一変してしまう。それから二十年。大人になった秀俊は、暴力の連鎖から抜け出せず、彼を思う美月、そして陽菜乃と亮介もまた、いまだ秘密と後悔にもがき続けていた。絶望の果てに辿り着く、究極の愛の物語。(本書より引用。) 

 

刀根秀俊:寡黙で不愛想な印象。母親の愛人から虐待を受けていた。

桐原美月:真帆の母親。実家が神社で中学生の頃は集い場所となっていた。

正木亮介:中学生のクラスでは学級委員長を務めた,しっかり者で成績優秀。

中村陽菜野:遠慮がちな大人しめな女性。親からの束縛が厳しい家庭。

 

今回は中学生での視点,大人となった現在の視点とで展開される話です。

最初に言ってしまうと,今回の小説は読むのが本当に大変でした…。

文章量が多いとか内容に納得がいかないとかではなく,単純に内容が暗く重いからです。

久々にこんな作品に出会いましたよ。

うわー,この展開は読みたくねぇよ,と何回思ったことか…。

 

村山由佳さんの作品って他にも読んだことがあるのですが,今回の小説は特に心理描写とか場面描写にどんどんと引き込まれていきました。

私は感情移入しやすいタイプなのでひたすらにつれーわって感じでした。

 

一般的な中学校の生活や一家族の幸せそうな生活も和気あいあいと描かれます。

明と暗の場面展開を楽しんでいただけたら幸いです。

彼らの幸せを思わずにはいられない一冊でした。

私自身が幸せでいられることの素晴らしさを教えてもらった気がします。

 

評価は 5.0/5.0 とさせていただきます。

閲覧くださり,ありがとうございました。

気になった方は是非読んでみてください!

ではまたの機会にお会いしましょう!