活字紀行

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点と点が線で結びつく瞬間を味わえる一冊。

今回は『甘美なる誘拐』(平居紀一/著)を読みました。

簡単ではありますが,まずは簡単なあらすじ紹介から。

※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご注意ください。

甘美なる誘拐 (宝島社文庫)

甘美なる誘拐 (宝島社文庫)

 

ヤクザの下っ端二人組、真二と悠人。人使いの荒い上司にこき使われる彼らの冴えない日常は、ある日、他殺体を発見したことで変わり始める。同じ頃、下町で自動車部品店を経営する植草父娘は、地上げ屋による嫌がらせで廃業に追い込まれかけていた。抵抗するため、父娘はある人物を頼るが……。一方、宗教団体・ニルヴァーナでは、教祖の孫娘が誘拐される事件が起きていた。様々な人物や事件が、衝撃のラストに帰結する、誘拐ミステリーの新機軸!(本書より引用。)

 

市岡真二:麦山組の組員以下であるヤクザ。新明興業の社員。

草塩悠人:真二と同じく新明興業の社員であり,真二の相棒。関西弁を話す。

荒木田:真二と悠人をこき使う麦山組の役員。

長尾春香:宗教団体"ニルヴァーナ"教祖の孫娘。普段はただの中学生。

植草菜々美:自動車部品店を営む植草浩一の娘。

 

今回はヤクザ二人組に焦点を中心に当てた話です。

タイトルにもあるように"誘拐"という題材が登場しますが,物語の中盤まで登場しません。

また,描かれる視点は何度も変わり,全容がつかめないまま物語が進んでいきます。

いったいどんな結末を迎えるのか?と全く様子が付きません。

 

物語終盤に差し掛かってくると,このような結末を迎えるのかな?とミステリー小説ならではの予想がついてきます。

ただ,よい意味で裏切られました。完敗です(笑)

まぁ私の推理能力が低いのかもしれませんが,様々なフラグが最後で回収されていく様は圧巻です。

最初はヤクザが主人公なだけあってダークサイドな作品なのかな?と思っていましたが,読了後にも嫌な気持には決してならない作品となっています。

 

評価は 4.5/5.0 とさせていただきます。

閲覧くださり,ありがとうございました。

気になった方は是非読んでみてください!

 

ではまたの機会にお会いしましょう!