今回は『ゴールデンタイムの消費期限』(斜線堂有紀/著)を読みました。
簡単ではありますが,まずは簡単なあらすじ紹介から。
※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご注意ください。
自分の消費期限は、もう切れているのかーー
小学生でデビューし、天才の名をほしいままにしていた小説家・綴喜文彰は、ある事件をきっかけに新作を発表出来なくなっていた。孤独と焦りに押し潰されそうになりながら迎えた高校三年生の春、綴喜は『レミントン・プロジェクト』に招待される。それは若き天才を集め交流を図る11日間のプロジェクトだった。「また傑作を書けるようになる」という言葉に参加を決める綴喜。そして向かった山中の施設には料理人、ヴァイオリニスト、映画監督、日本画家、棋士の、若き五人の天才たちがいた。やがて、参加者たちにプロジェクトの真の目的が明かされる。
招かれた全員が世間から見放された元・天才であること。このプロジェクトが人工知能「レミ
ントン」とのセッションを通じた、自分たちの「リサイクル計画」であることをーー。 (本書より引用。)
綴喜文章:小学生で天才小説家としてデビュー。高校生となった今では一冊も出版できていない。
真取智之:高校生にして天才料理人。
秋笠奏子:同じく高校生にして天才ヴァイオリニスト。
秒島宗哉:大学生にして日本画家の天才。
御堂将道:高校生にして天才棋士。
凪寺エミ:天才映画監督。
今回は若い世代でありながらもある分野で活躍する天才に焦点を当てた作品です。
青春小説でありながらもAIといったSF要素が合わさっています。
あらすじでも紹介した通り,彼らは誰しもが天才と呼ばれたものの,現在は結果を残せていない元・天才。
自身たちが再び天才として活躍するために"レミントン"とよばれるAIの力を借りることに。
11日間の"レミントン・プロジェクト"を通じて彼らは何を得るのかという話ですね。
何と言うか,私はこの作品を読んで元気づけられたのが一番ですね。
私自身は彼らのように突出した部分は持ち合わせていませんが,彼らが苦悩する姿には考えさせられるものがありました。
"好きこそものの上手なれ"という言葉がありますが,私はこの言葉がとても好きです。自分にはこれしかないんだ,これを失ったら自分には何もない人間になってしまう,という主旨が作中で登場しますが,自分を追い詰めてしまっても何も生まないなぁと。
その分野でお金を稼いで生計を立てていく,または趣味として楽しむことは全くの別物だと思いますが,前者の方々は本当に凄いなと思いました。
にしても,登場人物は大人っぽいなぁ。元であろうと天才には敵いませんね。
私はのらりくらりと暮らして趣味を楽しむくらいが丁度いいなと思いましたね。
これからも好きこそものの上手なれの精神で自分のしたい分野だけ努力します!
評価は 4.5/5.0 とさせていただきます。
閲覧くださり,ありがとうございました。
気になった方は是非読んでみてください!
ではまたの機会にお会いしましょう!