活字紀行

自分自身に満足を。つらつらと書評ブログ。Twitter@sh1roha_468

読書好きにはたまらない,一冊で何度も物語を楽しめる一冊。

今回は『この本を盗む者は』(深緑野分/著)を読みました。

簡単ではありますが,まずは簡単なあらすじ紹介から。

※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご注意ください。

 

「ああ、読まなければよかった! これだから本は嫌いなのに!」
書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。
“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”
本の呪いが発動し、街は侵食されるように物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り世界が元に戻らないと知った深冬は、探偵が銃を手に陰謀に挑む話や、銀色の巨大な獣を巡る話など、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて――。 (本書より引用。)

 

御倉深冬:御倉館の管理人である御倉あゆむの娘。

御倉の人間であることを鬱陶しく思うとともに,本が嫌いである。

真白:突如,深冬の前に現れた謎の少女。本の世界での冒険をサポートしてくれる。

 

今回は通称”本の町”と呼ばれる読長町を舞台としたファンタジー要素のある物語です。

御倉館から本が盗まれると呪いが発動することでその本の世界に閉じ込められ,泥棒を捕まえるまでその冒険は終わらないという主旨です。

本嫌いな深冬が物語を理解するために本を読むシーンが何度もあるのですが,本編とは違った世界観を楽しめます。

ただ,私は小さい頃から根っからの本好きだったので主人公の話にはあまり共感できませんでした。

一冊で色々な世界観が楽しめるのはファンタジーならではの良さだなと改めて思いました。

 

評価は 4.0/5.0 とさせていただきます。

閲覧くださり,ありがとうございました。

気になった方は是非読んでみてください!

 

ではまたの機会にお会いしましょう!