活字紀行

自分自身に満足を。つらつらと書評ブログ。Twitter@sh1roha_468

薬物はダメ。ゼッタイ。

今回は『強制終了,いつか再起動』(吉野万理子/著)を読みました。

簡単ではありますが,まずは簡単なあらすじ紹介から。

※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご注意ください。

強制終了、いつか再起動

強制終了、いつか再起動

 

地方から東京の中高一貫の私立中学に編入した加地隆秋(かじ・たかあき)は、勉強の進度に追いつけず、運動神経も悪い自分が周囲から浮いていると自覚している。そんな加地は、家庭教師の大学生、安岡を慕い、自宅に遊びに行くことになった。安岡の部屋で見つけたプラスチックケースから出てきたのはガラスのパイプと苔色の何かだった。加地はすすめられるがまま、大麻を吸った――。 (本書より引用)

 

加地隆秋:身長があるにも関わらず運動神経がないことにコンプレックスを抱く。

転校してきた環境に悩んでいたところ,ひょんなことをきっかけに大麻と出会う。

伊佐木周伍:YouTuber。転校してきた加地の声を聞いてYouTubeの活動に誘う。

麻矢夕都希:2人のクラスメイト。ある時期からYouTubeの活動に参加するようになる。

 

今回は中学生の薬物依存がテーマとなった作品です。

タイトルにもありますように"薬物はダメ。ゼッタイ。"というフレーズを誰しも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

 

主人公の加地はとある人をきっかけに大麻と出会います。

見てすぐに薬物はやってはいけないものだ,と判断しますが私生活がうまくいっていないことから思わず大麻に手を出してしまいます。

大麻は依存性の低い薬物だから,とどこかで思っていたのでしょうか?

そこから徐々に加地の言動がおかしくなっていきます。

 

大麻は別名"ゲートウェイドラッグ"とも呼ばれ,薬物依存の入り口と称されます。

加地の変貌ぶりには思わずゾッとするような言動もあるのですが,これが薬物依存なのかと思うと恐ろしくてたまりません。

 

YouTuberとかTikTokなど,若者特有のノリが読んでいて少々キツイな…(これがジェネレーションギャップかぁ,年取ったわ)とか思っていましたが満足に読めました。

私自身,タバコは吸わないですしお酒も交流で飲む程度なので依存といった状態がよくわかっていませんが,今一度薬物には手を出していけないと思いました。

 

余談ですが,中学生の薬物経験率っておよそ2%もあるものなんですね。

遠いような存在でありながらもその危険性は意外と近いところに転がっているんだなと。

 

評価は 4.0/5.0 とさせていただきます。

閲覧くださり,ありがとうございました。

気になった方は是非読んでみてください!

 

ではまたの機会にお会いしましょう!