活字紀行

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『夜のピクニック』 著者 恩田陸

今回は『夜のピクニック』(著者 恩田陸)を読みました。

簡単ではありますが,まずは簡単な登場人物とあらすじ紹介から。

※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご了承ください。

 

"北高鍛錬歩行祭"と呼ばれる朝の八時から翌朝の八時まで歩く行事。

 融は自由歩行で誰と一緒に行こうか,貴子はある賭けをしながら,各々で歩みを進める。

話題として挙がってくるのは,昨年の歩行祭で見かけた幽霊のような存在,そして貴子のもとに届いた今はアメリカに行ってしまった杏奈からの葉書など。

この高校最後の歩行祭で得られるものとは,そして融と貴子の関係はどうなるのか…という話です。

 

西脇融:元硬式テニス部の高校生。自由歩行ではテニス部の人か親友のように慕う忍と歩くか悩んでいた。貴子とは異母きょうだいにあたる。

甲田貴子:この歩行祭中に自分の中である賭けをしていた。

良く思われていなかった融との関係をどうにかしたいと思っていた。

戸田忍:融とは高校三年で同じクラスとなってからの仲。

いつも淡々としていてクールな人間だが,時に可愛げがある。

遊佐美和子:クラスは違うものの貴子と仲の良い大和撫子のような存在。

昨年は貴子,杏奈と同じクラスで一緒に歩行祭へ参加した。

 

今回は中高生特有のただ歩くだけの行事。

私にもこれに近いものがあったなと懐かしい気持ちを味合わせてくれました。

この作品を読んで一番思ったことはもっと若い頃というか,中高生の頃にこの作品を読むべきだったと思いました。

そこに関しては非常に残念で堪りません…(笑)

 

とにかく,素敵な表現が多く同じ年くらいの私に言ってやりたいと思うものばかりでした。忍が大人っぽすぎてこんな友人はいなかったなと。

私は友人とバカばっかりしていたのでこんなことはありませんでした(笑)

こういう青春っていいなって思ってしまうあたりが年を取ったなと感じ,もうあの感情は味わえないのだなと思ってしまいます。

 

この”歩行祭”を経て彼らが何を得るのかはぜひ確認してください!

ネタバレになってしまっても嫌なためこの辺で。

ぜひ中高生だけでなく幅広い方々に読んでみて欲しいです。

 

中高生やそれ以外の人でも”今”という時間の大切さを感じさせてくれる,そんな作品でした。

 

最後に私の好きなフレーズを2つ紹介します。

今は今なんだと。今を未来のためだけに使うべきじゃないと。

何かの終わりは,いつだって何かの始まりなのだ。

 

評価は 5.0/5.0 とさせていただきます。

閲覧くださり,ありがとうございました。

気になった方は是非読んでみてください!

 

夜のピクニック(新潮文庫)

夜のピクニック(新潮文庫)

 

 

ではまたの機会でお会いしましょう!