活字紀行

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『明るい夜に出かけて』 著者 佐藤多佳子

今回は『明るい夜に出かけて』(著者 佐藤多佳子)を読みました。

簡単ではありますが,まずは簡単な登場人物とあらすじ紹介から。

※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご了承ください。

 

とある事件を経て大学を休学し,コンビニアルバイトに勤しむ富山。

バイト中に接触恐怖症で客を思わず突き飛ばしてしまう。

そんな富山がバイト中に同じラジオのリスナーと思われる少女と出会い声を掛けてしまう。

偶然な出会いからそれぞれの素性が明らかとなる。

様々な出会いにより富山,そしてその他の思うところは…という話です。

 

富山(主人公)接触恐怖症による,とある事件によって大学を休学中。

深夜のコンビニアルバイトをしながら趣味のラジオに明け暮れる。

鹿沢:富山がアルバイトするコンビニで働く三歳年上。

所謂,「歌い手」の”だいちゃ”としてネットで活躍している。

佐古田:富山と同じくラジオ好きな女子高校生。

”カンバーバッチ”というラジオリスナーのごく一部しかもたないものを2つもつ。

永川:富山の旧友。アパートの斡旋をしてくれた。

 

前回(3月15日)とある意味で似ており,孤独や独りということを考えさせられました。

私事ですが,私はこの春から新社会人となるためグッと来る部分が多かったです。

 

私はこの手のラジオ番組を聞いたことが無かったですが,思わず聞きたくなりました。

何にしても実在するものを題材としてフィクションがなされていて凄かったです。

文章の表現と言いますか,情景の表現,素敵な言い回しがたくさんありました。

 

佐古田みたいな人と出会ってみたいと思いました(笑)

趣味の似た者同士はもちろん,異なった人もお互いを受け入れることの素晴らしさがよくわかりました。

あと,鹿沢が良い奴過ぎました(笑)

 

自分も誰かとつながることでより充実させたいと思いました。

アニさんのセリフがグッときました。”認められる”って大事なことだなと。

「やり直しがきかないこともあるが,君の年だと色々なチャンスができる」

 

好きなフレーズが多数あったので2点ほど紹介させていただきます!

タイトルの「明るい夜に出かけて」の奥深さがわかるはずです!

 

”夜は暗いけど,闇を照らす光は明るい。(中略)明るさは,その最初のイメージの先にある。「夜」という言葉の持つ深さと「明るい」という言葉の持つ強さ。”

 

”色々なことを知ろう。色々な世界を見て聞いて訪ねよう。(中略)たくさん,たくさん,取り込んで吸収して,自分の世界を大きく豊かにしたい。”

 

評価は 4.5/5.0 とさせていただきます。

閲覧くださり,ありがとうございました。

気になった方は是非読んでみてください!

 

明るい夜に出かけて (新潮文庫)

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ではまたの機会でお会いしましょう!