活字紀行

自分自身に満足を。つらつらと書評ブログ。Twitter@sh1roha_468

『どこよりも遠い場所にいる君へ』 著者 阿部暁子

今回は『どこよりも遠い場所にいる君へ』(著者 阿部暁子)を読みました。

簡単ではありますが,まずは簡単な登場人物とあらすじ紹介から。

※本文にはネタバレを含む場合がありますので,ご了承ください。

 

舞台は離島の采岐島高校。

知り合いのいない環境を求めた和希は神隠しが起こるとされる入り江で

少女が倒れているのを発見する。

共に救助にあたった高津が「今の西暦はわかるか」と聞くと,少女は「1974年」と回答。

しかし今は「2017年」。

何気ない離島暮らしをしていく中で明らかとなる少女の正体は…?という話です。

 

月ヶ瀬和希(主人公):知り合いのいない環境を求めて離島の采岐島高校に進学。

クラスメイトからは「王子」と慕われる。出入りが禁止される入り江で倒れた七緒を発見。

尾崎幹也:和希とは昔からの仲。クラスメイトからは和希の「乳母」と呼ばれる。

高津:和希と共に七緒の救助を行った。七緒を生き別れの妹として保護。

七緒:入り江で倒れていた少女。今が1974年だと思っていた。

 

離島。寮暮らし。密かな憧れだから率直に羨ましいです…(笑)

こんな学生生活がいいな,と思っている当たりそんな年じゃないんだと感じます。

まぁ,こんな個人的な感想はこのくらいにして本編の感想でも。

 

作中の登場人物はとてもいいキャラばかりです。

上には書きませんでしたが,寮の同部屋には他にも修治と顕光の2人も。

和希は本当に恵まれた仲間に会えたのだと嬉しくなりました。

誰目線のコメントなのかわかりませんが(笑)

 

最初は和希や高津とすら話すことのできなかった七緒が馴染んでいく所がとても可愛らしかったです。

この子もとてもいいキャラで昭和らしさ(?)を感じさせてくれます(笑)

恋愛要素はそこまで強くはないので,そういうを求める人には不向きだと思います。

あと,やたらと飼い猫リストの表現がされるので何かあるのか?と思っていましたが,

そんなことはなかったです。相変わらず目の付け所がダメですね(笑)

 

結末としてはどこか切なく,ただ決して悲しい気持ちにはさせない素敵なものでした。

どこかで蒸しパンを食べたくなるような気持ちになります。

 

最後に本文中で私の好きな表現を紹介します。切なさがグッときました。

 

過去に届くものなどありはしない。(中略)本当に遠い場所は,過去だ。すでに彼方へと過ぎ去り,もう二度と戻ることのない時のことだ。

 

評価は 4.0/5.0 とさせていただきます。

閲覧くださり,ありがとうございました。

気になった方は是非読んでみてください!

 

 ではまたの機会でお会いしましょう!